導入ソリューション

ボードバス炉

限られた予算と時間。
どのように脱炭素化を実現するか

金属加工領域におけるトップランナーとして、業界において認知されている柳河精機株式会社(以下、柳河精機)さま。三重県亀山市に本社を置く自動車部品メーカーである同社は、飛躍的な脱炭素化の契機として、生産工程の革新を決断。その中でも柳河精機さまが着目したのが「加熱工程」でした。
柳河精機さまが抱えていた課題は、自動車部品や産業機械部品の製造に欠かせないアルミの鋳造工程におけるCO2排出量の削減とBCP対策。柳河精機さまは、溶かしたアルミをそのままの状態に保持するガス燃焼式保持炉を利用していました。同工程では、エネルギー消費量の大きさから抜本的な対策が必要でしたが、生産工程の革新には相応のコストと時間がかかるため、実現可能な方法を模索することに担当者さまは苦心されていました。

CO2排出量の削減だけでなく
メンテナンス性も向上

そこで柳河精機さまが選択したのは、中部電力ミライズが開発した「縦浸漬ボードバス炉(以下、ボードバス炉)」です。CO2排出量の削減に加え、BCP対策が図れることから、ガス式からボードバス炉(電気ヒーター)による加熱方式への転換を決断。ヒーターが複数本設置されていることから、仮に一部のヒーターが故障しても、継続して生産できる点が導入のポイントとなりました。

柳河精機株式会社さま

ボードバス炉は、同様の課題を抱える企業向けに開発した設備を、多くの企業でも活用できるように汎用化して中部電力ミライズが販売しているもの。数多くの企業のさまざまな加熱方式などの改善に伴走支援して得られた、豊富な知見を活かしています。
柳河精機さまは、元々ガス式からヒーターへの転換を検討する中で、従来普及していたヒーターを炉の下部へ設置する「アンダーヒーター」の導入を想定。ただ、「アンダーヒーターは炉内のアルミをすべて抜いてからでないとヒーターの交換作業ができない」と担当者さまは当時の懸念点を話されます。
ボードバス炉は、電気式の高出力ヒーターを熱源とすることで、従来のガス式に比べCO2排出量を大幅に削減。さらに、ヒーターを上部から挿入する縦型構造を採用することで、ヒーターの故障時にアルミを残したまま、迅速に交換ができるなど、上記の懸念されていた点を解決することができました。
「省エネ性能の高さや、故障時に迅速に交換作業ができるメンテナンス性の高さが魅力だった」と振り返る、柳河精機の担当者さま。実際にボードバス炉を導入している企業への見学会が用意されていたことも、導入判断の重要な参考材料になったそうです。汎用製品ならではの実績に裏付けられた安心感が、スムーズな導入を後押ししました。

CO2排出量48%削減に成功。
即効性のある省エネ実現の
選択肢に

ボードバス炉を導入後、従来のガス燃焼式保持炉と比較して、CO2排出量は初年度で48%以上の削減を達成。加えて、炉周辺への熱放散が減少したことで、夏場の作業環境も大きく改善されました。成果を受けて、柳河精機の担当者さまからも、「脱炭素化に向けた燃料転換への加速を感じた」と評価をいただきました。
環境・社会・ガバナンスの観点から、持続可能な事業運営を追求してきた柳河精機さま。今回の生産工程の革新を足がかりに、さらなる省エネ・脱炭素化への取り組みを進めていく考えです。今後も「社内全従業員でカーボンニュートラルに向かう」という同社の挑戦に中部電力ミライズも伴走し、脱炭素化のサポートに尽力させていただきます。

この事例で導入されている製品

製品

ボードバス炉​

当社のボードバス炉は断熱性に優れ、放熱ロスが少ないことが特長です。溶湯ヒータは汲出口に設置することができるため、溶湯温度は安定し昇温の無駄も削減。失火の危険もありません。​

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