開発一体型ソリューション活動
による鋳造工程の見直し
スズキ株式会社(以下、スズキ)さまも、中部電力ミライズの開発一体型ソリューション活動により、CO2排出量と燃料消費量の半減に成功されました。同社では省エネ活動で積極果敢なチャレンジを続ける中、多品種小ロット生産に対応しながらエネルギー使用の最適化を図るために浮上したテーマが、「鋳造工程の改善」でした。
加熱手法転換への挑戦
従来は、金型をガスバーナで加熱するのが主流でしたが、直火を扱うため危険なうえ、火力調整は作業者任せで均一化が難しいという問題も。そんな中、中部電力ミライズがもつ赤外線ヒータに着目されたスズキさまは、電気ヒータでの加熱可否検討をご依頼。最初は金属への吸収率が高い近赤外線のハロゲンヒータを試されるも、必要な温度に至らず、さらに実験施設で分析を重ねることになりました。
中部電力ミライズでは一つのメーカーにこだわらず、あらゆる可能性を追求しました。最終的には、中赤外線のカーボンヒータを使うことで問題は解決。試作機の改良を加えては十数回のトライ&エラーを経て、世界のどこにもない「赤外線ヒータ式金型加熱器」が完成しました。
結果、「赤外線ヒータ式金型加熱器」により、鋳造工程のエネルギー使用量は58%削減。CO2排出量は62%削減(注)となりました。
CO2排出量削減だけでなく、
作業環境の改善・品質向上も
同時に実現
省エネ効果以外にも温度制御の自動化により、作業員さまの省力化にも成功。スズキの担当者さまは、「テストのたびに、もっと早く温度を上げたい、温度分布を均一にしたい、エネルギー効率を上げたい、作業者が使いやすいものにしたい、と無理難題を伝え、中部電力ミライズにはそれを自分事として常に前向きに取り組んでいただき感謝しています」と語られました。
中部電力ミライズがメーカーでないからこその偏りのない提案も、悩みを抱える企業にとっては大きかったかもしれません。今回開発した加熱器は、作業環境の改善に効果を生み、作業員さまの技能に頼らずとも品質向上が図れることから、スズキさまでは海外工場にも順次導入されています。
(注)算定諸元
ガスバーナ式(LPG使用量:17ton/月、電力使用量:52千kWh/月(合計原油換算量:35.7kl/月))
赤外線ヒータ式(LPG使用量:0ton/月、電力使用量:58千kWh/月(合計原油換算量:14.9kl/月))
導入事例の詳細はこちらでもご確認いただけます。
スズキ株式会社さま 詳細事例