地元産の水力由来の電気で
県内拠点の100%再エネ化を実現
地域の再エネを増やすという目的で、新たな取り組みに挑戦しているのが、長野県諏訪市に本社を置くセイコーエプソンさま(以下、エプソン)です。
エプソンさまは、いち早く長野県の水力発電所由来の「信州Greenでんき」を導入開始し、2021年4月に県内事業所13拠点で使用する電気の100%再エネ化を実現しました。これはエプソンさまが掲げられている「2023年にエプソングループの全使用電力を100%再生可能エネルギー化」という目標に向けた、大きな一歩として注目を集めました。
もとより、エプソンさまは1980年から工場を省電力化するなど、省エネ活動に長い歴史を持ちます。省エネ投資などを進める一方、更なる脱炭素化を進めるうえで、長野県企業局などが発電する地元産のCO2フリー電気「信州Greenでんき」の活用を決めました。
再エネを使うだけでなく、
増やす取り組みへ
既存発電所由来のCO2フリー電気の活用によって、自社の脱炭素化を図れても、地域全体の脱炭素に直結するわけではありません。脱炭素電源については、需要増加にともない今後の不足も懸念されます。「追加性」という言葉を耳にするように、再エネ電源を増やしていく取り組みも重要となります。
そこで、エプソンさまを中心に、2021年5月には長野県、中部電力ミライズとの3社協定による「信州Green電源拡大プロジェクト」を立ち上げ。従来の「信州Greenでんき」の取り組みを一歩進め、今後供給不足が予測されている再生可能エネルギー電源の開発を加速させることを目的に、電気を使う側が、作る側と連携して再エネ拡大を目指しています。
県営等水力の新規開発を
直接支援へ
このプロジェクトでは、地域産再エネを有効活用しながら、電気料金の支払いを通じて、県や中部電力が進める特定の発電所への直接的な開発支援に取り組んでいます。
具体的には「信州Greenでんき」の売上の一部を、長野県企業局が建設する越百(こすも)のしずく水力発電所、中部電力が建設する清内路水力発電所と黒川平水力発電所の開発に活用し、長野県の再エネ拡大に貢献していくものです。
エプソンの生産企画本部CS 品質・環境企画部長木村さまは、「脱炭素に向けて、いち早く大規模なCO2排出量削減を達成すべく、安定的に大量調達可能なCO2フリー電気を選択した。地域に根差す企業として、地産の電気は魅力的。ミライズであれば、行政との連携や今後の再エネ拡大、新しいスキームへの最適な対応などについて相談しながら進められる」と語ります。
海外拠点も含めた100%再エネ化へ
本社のある長野県で「信州Greenでんき」を導入し、2021年4月には県内事業所で使う電気の100%再エネ化を実現されました。
2021年11月には国内の全拠点にて達成済み、さらに2023年には海外の全拠点での100%再エネ化が目指されています。