導入事例

  • 製造業
  • Greenでんき
  • 企業価値向上
  • CO2排出量削減

環境への取り組みは企業の競争力を最大化し
オンリーワンのアイデンティティとなる

株式会社マルワさま
(愛知県名古屋市)

事業内容: 総合印刷関連/販促企画関連/マルチメディア関連/
企画・取材・リライト・出版・販売促進のコンサルティング/採用支援事業・人材派遣事業
従業員数: 30名(2024年11月現在)
  • 株式会社マルワ
  • 株式会社マルワ
株式会社マルワ

印刷業として1958年に創業。現在は、印刷だけでなく企画デザインから加工までを自社一貫体制でおこなっています。コロナ禍に挑戦したネット配信事業の拡大に伴い、2022年に社屋をフルリノベーションしてスタジオ兼セミナールームを新設。環境問題については20年以上前から取り組んでおり、2023年6月にCO2フリー電気「愛知Greenでんき」を導入いただきました。

取材先企業担当者・
リポーター紹介

代表取締役社長 鳥原 久資さん

マルワ

代表取締役社長
鳥原 久資さん

取締役副社長 鳥原 由美さん

マルワ

取締役副社長
鳥原 由美さん

リポーター 毛利 結菜さん

脱炭素アンバサダー

リポーター
毛利 結菜さん

ポイント1 (注)で付加価値を高める

差異化が困難な印刷において、カーボンゼロプリントは大きな強みに。現在では自治体から指名や相談をいただくなど、その価値を発揮しています。

ポイント2 委員会活動で属人化を防ぎ組織に定着

従業員主導で(注)の運用に取り組むことで、業務の属人化を防いで組織に定着。社員がイニシアチブを発揮するきっかけにもなっています。

ポイント3 SBTの取得で競争優位性を獲得

ISO規格の運用で計測した環境数値(電力・騒音・廃棄物)を生かし、中小企業版(注)を取得。環境意識が高い取引先の皆さまから評価をされています。

Greenでんきに関する
お問い合わせ

社員主導型の取り組みで環境意識を広く浸透

取材風景
毛利さん御社は環境に配慮したさまざまな取り組みをされていますが、その中の一つカーボンゼロプリントとはどのようなものですか?
鳥原(久)さんカーボンゼロプリントとは、印刷時に使用する電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうことで、CO2排出量をゼロにした印刷のことです。
鳥原(由)さん当社では、印刷以外の電力もすべて再生可能エネルギーを使用しているんですよ。
毛利さんそれはすごいですね。環境への取り組みをはじめたのはいつ頃ですか?
鳥原(由)さん2005年に愛知県で開催された「愛・地球博(愛知万博)」がきっかけです。メインテーマに「自然の叡智」、サブテーマの1つに「循環型社会」が掲げられたことから、これからは環境の時代が来ると感じました。そこから「環境」を1つの軸に設定し、活動をはじめたんですよ。
取材風景
毛利さん最初に取り組んだのはどんなことですか?
鳥原(久)さんまずは2001年にISO 9001(品質マネジメントシステム)(注)を取得しました。
(注)商品やサービスの品質向上を目的としたマネジメントシステムのこと。
鳥原(由)さんさらにISO14001(環境マネジメントシステム)(注)を取得したのですが、これは従業員主導で立ち上げたISO委員会の努力の賜物です。
(注)企業活動における環境リスクを低減するためのマネジメントシステムのこと。
毛利さんどんな努力をされましたか?
鳥原(由)さんそれまでモノの置き場所も人の動線も決まっていなかったため、業務の流れを整理するために社内レイアウト検討から取りかかりました。無駄な移動が減ることで、照明や空調の使用時間が短縮され、エネルギー消費の削減につながりますしね。
鳥原(久)さんそれに加え、ゴミの分別も徹底しました。リサイクル可能な資源を適切に分別することで、資源の再利用が可能となり、廃棄物の削減につながります。
鳥原(由)さん前日出されたゴミを環境委員のリーダーであった女性従業員が毎朝チェックして、正しい分別方法を指導していたのですが、途中からは“間違い探し”のように楽しんでいたみたい(笑)。
毛利さん楽しみながら取り組めるのって、ステキですね。
取材風景
鳥原(由)さんとても前向きな彼女が先頭に立って頑張ってくれたおかげです。
鳥原(久)さん私たちが口出しをせず、彼女を信じて任せたからこそうまくいったのだと感じています。
毛利さんすばらしい取り組みですね。
鳥原(久)さん2005年には、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)(注)も取得しています。当時300人以下の中小企業で、3つのISO規格を取得しているのは当社だけでした。
(注)企業や組織が保有する情報を保護し有効的に活用するためのマネジメントシステムのこと。
鳥原(由)さんそしてISO規格を適正に運用するため、2003年から環境保全の取り組みについてまとめた環境レポートを制作し、一般に公開しています。
毛利さんISO規格の運用には、環境レポートが必要なのですか?
鳥原(久)さんこれは逆転の発想です。ゴミや電気など省資源の取り組みはもちろん、清掃活動などのトピックがないと環境レポートの内容は薄くなってしまいます。ですから、レポート作成に必要な活動をせざるを得ない状況をつくりだしたのです。
鳥原(由)さんでもそのおかげで、社員20数名の会社が行政から注目されるようになったんですよ。

取引先からも「環境といえばマルワ」と認知

毛利さんISO規格を取得されて、なにか変化はありましたか?
鳥原(久)さん社員の環境意識が高まり、本社前の大きな公園の清掃を社員全員で取り組むようになったのですが、それにより近隣の方々とのつながりが深くなったように感じています。
鳥原(由)さん資材搬入のトラックの騒音でご近隣よりご意見を頂戴することもありましたが、徐々にポジティブなお言葉をいただくようになりました。
取材風景
毛利さんほかにISO規格取得のメリットは感じていらっしゃいますか?
鳥原(久)さん中小企業版SBTを取得する際、温室効果ガス排出削減目標および排出量を提出する必要があり、多くの企業でかなりハードルの高い営みとなるのですが、当社では社内のISO委員会が継続的に環境数値を計測しており、SBT取得までのスピードが加速しました。やはり日頃からの取り組みに勝るものはないですね。
毛利さんほかにも多くの第三者認証を取得されていますよね。
鳥原(由)さんグリーンプリンティング、FSC(森林認証制度)など、環境に関わる資格は積極的に取得しました。
鳥原(久)さんそれにより地域で環境問題に取り組む人たちとの輪が広がり、カーボンオフセット実現に向けて更に理解が深まっていきました。
鳥原(由)さんとはいえ環境のISO規格に必死に取り組んでいても、CO2の排出量を実際にゼロにするのはまだまだ難しい。でもいつかはゼロにはしたいよねということで、中部電力ミライズの担当者さまに相談したところ、ご提案いただいたのが「愛知Greenでんき」でした。
毛利さん愛知県を流れる矢作川や豊川で生まれた電気のことですね。
鳥原(由)さん地産地消エネルギーということに感激し、2023年にさっそく30%契約。2024年には契約を100%にすることで、カーボンゼロプリントを、しかも地元由来のでんきを利用することで実現することができたのです。
取材風景
毛利さん導入後、どのような変化がありましたか?
鳥原(由)さん社内のモチベーションはもちろん、金融機関や中小企業基盤整備機構が運営する媒体で取り上げていただくなど、とても注目されていると感じています。会社見学も積極的に受け入れているのですが、学校や行政だけでなく、一般企業からの申込みも増えているんですよ。
鳥原(久)さん私はよく企業などでSDGsや環境のセミナー講師を務めているのですが、再エネ100%やカーボンゼロプリントのインパクトは大きく、企業ブランディングに一役買ってくれています。
鳥原(由)さんここ最近は取引先からも「環境といえばマルワ」と認知いただいています。
取材風景
毛利さん採用活動へのメリットはいかがですか?
鳥原(久)さん毛利さんもそうだと思いますが、最近の学生は環境についてよく学んでいるので、当社の取り組みに関心を寄せる学生が増えてきているんですよ。
毛利さんそうですね。私自身もウェブサイトや企業説明会で「環境」というキーワードがあるかないかで、その会社への第一印象が大きく変わります。そのほかに大きな変化はありましたか?
鳥原(由)さん取引先の広がりですね。環境局などの行政や商工会議所などから指名や相談をいただく機会も増えました。
取材風景
鳥原(久)さんあくまで肌感覚になりますが、今年に入ってから環境をご縁とした取引が15%ほど増えたように感じます。もし、環境に配慮している会社とそうでない会社が同じ商品を同じような価格で販売していたら、どちらを選ぶかは明白ですよね。
毛利さん確かにその通りですね。最後になりましたが、脱炭素社会に貢献するためさまざまな取り組みを検討していらっしゃる中小企業の皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
鳥原(由)さん“Greenでんき=環境に貢献”は言うまでもありませんが、この時代に競争力を最大化するために欠かせないピースだと感じています。もちろんコストは必要ですが、費用対効果を考えれば、決して高い投資ではないはずです。
鳥原(久)さん環境への取り組みというのは、考え方や手段、取り組み方によってその会社の個性が強く表れます。それが独自性となり、同業他社との差異化につながるはず。取引先にとっても学生にとっても、非常にわかりやすく大きなサインになってくれますよ!
毛利さん貴重なお話をありがとうございました。

取材先企業担当者・
リポーターの詳細

代表取締役社長 鳥原 久資さん

マルワ

代表取締役社長:鳥原 久資さん

小・中学校の教員を経た後、1989年に同社に入社。2024年5月まで愛知県印刷工業組合の理事長、現在はメディア・ユニバーサル・デザイン協会の理事を務めています。環境活動の講演や後継者向けワークショップの講師としても活躍中。

取締役副社長 鳥原 由美さん

マルワ

取締役副社長:鳥原 由美さん

1986年に同社入社後、制作から工程管理、印刷、経理など、あらゆる部署を経験。現在は社内で「HIME企画出版」を立ち上げ、自費出版アドバイザーとして活躍するほか、社員たちのよき相談相手として会社を支えています。

リポーター 毛利 結菜さん

脱炭素アンバサダー

リポーター:毛利 結菜さん

愛知県在住の現役大学生。カルチュラル・スタディーズ(文化研究)の授業で地球環境について学ぶうちに、脱炭素についてもっと深く勉強したいと思うように。中部電力ミライズと二人三脚でお客さまの脱炭素化を応援します!

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