再エネの「地産地消」で環境負荷の低減と
地域経済の活性化を目指す
半導体・電子部品メーカーであるローム浜松株式会社(以下、ローム浜松)さまが強く意識されていたのは、単にCO2排出量を削減するだけでなく、「地域資源の循環」や「地域経済を活性化」といった地域社会と共生する、という観点でした。

浜松市内の事業所における再エネ導入を検討される中で、環境負荷の低減と地域とのつながりを両立させる手法として、地元で生まれた再エネの活用に着目。輸送ロスが少なくエネルギー効率が高いことに加え、地域経済の活性化にも貢献できる「電力の地産地消」をいかに実現するかが、CO2排出量削減の次の課題となっていました。
再エネの安定調達と同時に
地域経済の活性化にも貢献
そこで、中部電力ミライズが提案したのが、浜松市内にある2つの「営農型太陽光発電所」を電源とするオフサイトPPAです。この発電所では太陽光パネルの下でレモン栽培を行っており、農業をおこないながら発電もする、地域資源活用にもつながる取り組み。この発電所で生まれたクリーンな電力をローム浜松さまへ供給する提案をおこないました。
これにより、ローム浜松さまは2つの発電所から合計で年間約344万kWhもの地元産電力を活用できるように、CO2排出量は年間約1,415トンの削減に成功しました。また、ローム浜松さまが長期間の調達を約束することで、発電事業者側は、地域内で安定した発電事業を展開できるようになり、地域の再エネ拡大にもつながっています。
オフサイトPPAを活用することにより、ローム浜松さまは初期投資不要で、新たに設置された専用電源由来の再エネを、長期安定的に調達できることが期待できます。
「再エネ活用のアイデアはあっても信頼できる発電事業者とのつながりや知見がなく、取り組みを始められなかった」と振り返るローム浜松の担当者さま。当社からの紹介と全面的なサポートにより、早期の採用に至ったと評価いただきました。
さらにこの取り組みが発展し、「遠州脱炭素プロジェクト」の一環として、プロジェクトの他の参加企業の工場で発生した余剰電力をローム浜松さまが活用する、企業間での電力融通という新たな取り組みも開始。年間約35万kWhの電力をローム浜松さまへ融通しています。
このようにローム浜松さまは、地域と関わりながら、地域の再エネ拡大といった脱炭素を通じて、地域経済の活性化などに取り組まれています。
地元の資源を有効的に
活用・循環させることで地域社会と共生
こうした地域に根差した取り組みは、お客さまや多くのステークホルダーから「環境負荷軽減に積極的に努めている」と好意的に受け止められており、大きな反響を呼んでいるとのこと。また、営農型太陽光で栽培された農作物を将来的には自社で消費することも視野に入れており、エネルギーだけでなく食の分野でも地域内循環を目指されています。
地元電源の活用により、浜松市内での「電力の地産地消」を実現されたローム浜松さま。「ロームグループ環境ビジョン2050」を掲げ、「気候変動への対応」「資源循環」「自然共生」を柱とした取り組みを推進されています。今後は、工場内の古くなった送水ポンプのモーター部分を、先進技術を搭載した高効率な機器へ更新するなど、生産性の向上と両立させながら、さらなる省エネルギー化も検討されています。当社は、地域社会と共生しながら脱炭素化を推進される先進的な挑戦を、これからも支え続けていきます。





