屋根以外の
再エネ発電設備設置の
有望な選択肢
愛知県瀬戸市に本社を置く、自動車部品メーカーの株式会社ジェイテクトギヤシステム(以下、ジェイテクトギヤシステム)さま。自社に合った最適な再エネ導入方法を模索している中で、当初は工場の屋根への太陽光パネル設置を検討されていたものの、建物の耐荷重の問題によって設備の設置が困難であることがわかり、断念されました。
さまざまな方法を模索する中で、駐車場スペースを活用したカーポート一体型の太陽光発電についても着目。ただ、情報収集する中で、初期投資の負担の大きさを課題と捉えていたそうです。
カーポート一体型の太陽光発電は、カーポート架台を設置する費用がかかることから、屋根設置に比べると一般的にコストはかかってしまう一方で、駐車場を利用する人が雨を避けられたり、熱を遮る効果によって夏場に車内の温度が上昇しすぎないように抑制できたりといった、カーポート一体型ならではの追加コストに対する高い付加価値が考えられます。こうした付加価値によって従業員の利便性向上につなげられるという点や、長期にわたって再エネ由来の電気を調達できる点に、ジェイテクトギヤシステムさまは大きな魅力を感じられていました。
そんな時に、中部電力ミライズと協議を重ね、「カーポート一体型PPAサービス」の導入を決意。架台部分も含めて初期投資なしで再エネを導入できる理想的な選択ができた、と担当者さまは振り返ります。
エネルギー使用量が
社内で最大だった工場で
創エネに着手
ジェイテクトギヤシステムさまにおいてカーポート一体型PPAが導入されたのは、岐阜県御嵩町にある「みたけ工場」です。従業員用の駐車場に368台分のソーラーカーポートを設置。2024年2月に発電を開始されました。
パネル容量が約1,500kWの発電設備によって、同工場が年間で使用する電力の約5%を賄っています。これにより、CO2排出量は年間約700トン削減される見込みです。
こうして、社内で最もエネルギー使用量の多い同工場において、創エネ効果の高い取り組みを実現。2035年カーボンニュートラル達成に向け、欠かすことのできないCO2削減アイテムになりました。

社内外への
脱炭素化PRにもつながる
カーポート一体型PPA導入にあたって、ジェイテクトギヤシステムさまからは「設備の長期運営・管理を任せられる点は大きなメリットに感じている」とPPAスキームによるサービス性に対し、評価をいただきました。
また、設置された太陽光パネルは工場に訪れた人の目に触れやすいことから、環境への取り組みを対外的にアピールする効果が期待されています。実際にジェイテクトギヤシステムさまでも、脱炭素化活動のPRにつながり、他社さまから見学依頼が多く届くように。さらに、発電経過などの情報を工場内のモニターや社内ポータルサイトで共有することで、従業員の皆さまのカーボンニュートラルに対する意識も向上している様子が見られるそうです。
今後はさらなる脱炭素化への取り組みの中で、「エネルギーの見える化」なども強化し、工場の省エネを一層加速される予定のジェイテクトギヤシステムさま。さまざまな手法によるCO2排出量削減により、脱炭素化を着実に進めていかれることでしょう。