専用電源からの
再エネ長期調達で、
コストの変動リスクを抑制
ファミリーレストランの「ガスト」など、国内外約3,000店の飲食店を展開する株式会社すかいらーくホールディングス(以下、すかいらーくホールディングス)さま。2050年までのCO2排出量実質ゼロを目指して、脱炭素化の取り組みを加速しています。
脱炭素戦略の一つとして、再エネ導入の検討を進めていたすかいらーくホールディングスさま。ところが、再エネ率を高められるCO2フリー電気は、「長期的に調達を担保できるか」という不安があったそうです。一方で屋根への太陽光発電の設置は、規模が限られるなど、導入するには大きな課題がありました。
そこで、すかいらーくホールディングスさまが選ばれたのが、「オフサイトPPA」です。オフサイトPPAとは、遊休地など離れた場所に新たに建設した自社専用発電所から、再エネを調達する仕組みです。初期費用の負担なく再エネを導入でき、20年間と長期での契約を結ぶため、電力価格が変動するリスクも抑えられます。
店舗の入れ替えが多い
飲食ビジネスの実態に
オフサイトPPAの柔軟性で対応
そうした中、2024年3月より、中部エリア唯一の工場である「岐阜マーチャンダイジングセンター」と、管轄する3店舗でオフサイトPPA導入を開始。同センターは中部エリアで唯一の工場としてすかいらーくグループ約250店舗の食材の一次加工を担っており、消費電力量が多いことから、再エネ供給による脱炭素への効果が期待される点が決め手となりました。
飲食ビジネスという特性上、開店や閉店、業態変更が少なくないため、脱炭素化の取り組みを進める際にも、導入店舗の入れ替えを念頭に置かなければなりません。すかいらーくホールディングスのESG推進担当者さまは、オフサイトPPAは設備の設置場所などの制約がないため、導入店舗の入れ替えが容易であることに加え、コストの変動が抑えられることなどが主な導入理由となったと振り返ります。

「岐阜マーチャンダイジングセンター」と管轄する3店舗におけるオフサイトPPAの導入によって、年間で612MWhの再エネ電力を供給しながら、CO2排出量は約280トンを削減できる見込みです。
オフサイトPPA導入後の動きについて、すかいらーくホールディングスのESG推進担当者さまは、「発電量の管理や事務対応の負担も少なく、導入前とほぼ同じコストで実現できた」と語ってくださいました。
CO2排出量ゼロを目指して、
さらなる導入店舗の拡大を計画
こうした取り組みの成果を受けて、2024年には「岐阜マーチャンダイジングセンター」と管轄する3店舗に加え、東北・北陸地方の店舗でも導入を開始し、合計155店舗まで拡大。これによりCO2排出量は、年間で約3,500トン削減される予定です。さらに、2030年までに2,000施設への導入を目標に掲げていらっしゃいます。
2023年8月には「CO2排出量実質ゼロ」の環境配慮型の「ガスト」を東京都東村山市にオープン。2024年1月には酒々井マーチャンダイジングセンターで太陽光発電設備を導入し、着実に歩みを進めています。
また、レストランなど店舗の客席タブレット端末でも取り組みの紹介映像を流すことで、一般のお客さまにも「環境対策に積極的」という認知を広げていらっしゃいます。こうした社会的に注目される環境活動の影で、節電や省エネ機器への切り替えなど日々の取り組みも継続。さらに新たな脱炭素化の道も探る、すかいらーくホールディングスさまの環境活動を、中部電力ミライズはこれからもサポートしていきます。