豊岡工場の発電能力を
293kWから874kWへ大幅アップ

工場の屋根上などは通常、遊休スペースとなっており、太陽光パネルを設置することで有効活用されるケースがあります。ところが、その工場における電力使用量が少ない場合、屋根にスペース自体は余っているにもかかわらず、自家消費する電力に見合った少ない容量の太陽光パネルしか導入しないケースが一般的です。
そこで、自社屋根に太陽光パネルを追加設置することで屋根スペースを最大限活用し、増設によって発電した電力は、送配電線を介して別の拠点で有効的に活用する。この仕組みで脱炭素化に取り組んでいるのが、自動車部品メーカーの株式会社ソミック石川(以下、ソミック石川)さまです。
工場の屋根スペースという既存資産を最大限に活用しながら、他拠点への再エネ供給で無駄なく電力を活用した事例として、協力会社からも注目を集めているとソミック石川の担当者さまは語ります。

工場稼働日の違いを生かし、
余剰電力を有効活用

ソミック石川さまが所有する静岡県磐田市の豊岡工場では2021年8月からオンサイトPPAを活用して太陽光発電設備を導入していました。オンサイトPPAは、費用の負担なく自社敷地内に太陽光発電設備を設置し、その敷地内で電力を自家消費する仕組みのことです。
さらなるCO2削減目標の達成には、再エネ導入量の拡大が必要だと考えたソミック石川さま。しかし、豊岡工場単体では発電量を使い切れないという課題に直面し、オンサイトPPAでの新たな設備導入は困難な状況だったといいます。

株式会社ソミック石川さま

「オンサイトPPAは工場が稼働しない土日は電力が無駄になってしまう課題がありました」とソミック石川の担当者さまは振り返ります。そこで中部電力ミライズと一緒に、屋根スペースを最大限に活用しながら、パネルを増設し、オフサイトPPAを活用して別拠点で電力を活用する仕組みについて検討。
豊岡工場では、太陽光発電設備の追加導入によって、屋根スペースでの発電能力を約293kWから約874kWまで大幅に拡大。この取り組みにより、年間約350トンのCO2削減を実現しています。
増設分の電力を熱処理などで消費量が多い静岡県浜松市の鶴見工場にて活用することで、土日の余剰電力も無駄なく使える体制を整備。この取り組みにより、豊岡工場の屋根スペースを最大限に活用しながら、実質的な再エネ利用量を大幅に拡大させました。こうして、CO2排出量の削減という目標を達成させるとともに、既設の再エネ設備を有効活用しながら、さらなる脱炭素化を進める先進的な事例となりました。

仕入先との連携で
脱炭素化を推進

持続可能な社会の実現に寄与し、次世代に良い環境を引き継ぐための一歩として、今回の導入を決意されたソミック石川さま。オンサイトとオフサイトの特性を組み合わせたPPAの導入により、CO2削減という具体的な成果が得られただけでなく、再エネの拡大・増加にも貢献されました。
今回の成功事例はソミック石川さまより他社にも紹介され、すでに多くの関心が寄せられているとのこと。今後は仕入先を巻き込んだカーボンニュートラル推進など、事業の継続性を考慮しながらさらなる取り組みの拡大を計画されていると、力強く語っていただきました。
「期待の先へ、次世代の笑顔へ BE A PIONEER」をキーワードに、サプライチェーン全体での脱炭素化の実現に向けて、ソミック石川さまの挑戦は新たなステージへと進みます。

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