共同調達により
専用発電所設置の不安や
課題解消へ
自動車部品のグローバルメーカーとして、世界各地に拠点をもつ株式会社東海理化(以下、東海理化)さま。2050年を見据えたカーボンニュートラルに向けて、徹底的な省エネ活動や、製造過程におけるCO2の排出量削減に取り組み、全方位から脱炭素化を推進していらっしゃいます。
脱炭素化を目指すうえでは自社だけではなく、サプライチェーン全体での取り組みが重要であると考えられた東海理化さま。ところが以前より、仕入先の企業からは「太陽光発電設備の設置ポテンシャルがない」、「コストの高さから導入を躊躇している」などの声があったそうです。
仕入先12社と共同し、
再エネを長期確保
こうした中、「国内拠点では古い建物や敷地面積の制約もあって、大規模な再エネ導入ができない」という課題にも直面することに。しかし、こうした課題から「その状況を打破して、国内でも再エネ導入率を引き上げたい」という新たなミッションが生まれたのだと言います。そこで、そのミッションを達成すべく、2022年12月より、長野県や大阪府に設置された自社専用の太陽光発電所から、中部電力ミライズを通じて、本社・本社工場に向けて再エネを供給するオフサイトPPAサービスを導入しました。
さらにこの取り組みを拡大し、2023年9月より東海理化の仕入先となるサプライヤー12社に働きかけ、愛知県内の物流倉庫の屋根に太陽光発電所を設置し、電力を共同調達するという取り組みを開始。東海理化の担当者さまは「最初はPPAのスキームを紹介するだけに留まっていましたが、個社で契約するには規模が大きいこともあり、当社と共同で実施することで各社の懸念を払拭できるのではないかと考えました」と経緯を振り返ります。
また、太陽光発電の設置ポテンシャルがあるにも関わらず、有効活用できていなかった倉庫屋根で発電することで、「自社サプライチェーンのCO2削減にもなり、日本全体の再エネ導入拡大にも貢献できる」ことにも繋がります。
サプライチェーン一体となり
再エネ率向上。
さらなる再エネ電源開発の
加速化へ
このサプライチェーン一体型のオフサイトPPAによって、東海理化さまの国内工場におけるCO2排出量は4%削減、再エネ率は10%向上することに成功。本社・本社工場では晴天時の昼間には電力需要をほぼオフサイトPPAでまかなえています。賛同された12社の仕入先さまでもCO2排出量が3%削減、再エネ率が7%向上されました。
お客さまや同業他社さまからも大きな反響が。賛同された仕入先さまからは「もっと増やしたい」、共同発電の提案をいったん見送られた仕入先さまからは「次はぜひ参加したい」といった声も届いているそうです。
こうした東海理化さまの取り組みは、自社のビジョンを達成させるだけではなく、サプライチェーン一体となった再エネ電源の開発促進にも大きく貢献。サプライチェーン全体でのCO2などの排出量やその削減に向けた取り組みなどの開示を求める動きもみられる中で、「押しつけにならない寄り添った活動となるよう、各社さまのCO2低減に一緒に取り組む」という姿勢で、今後も脱炭素化に向けて活動を加速されるとのことです。