早期に太陽光発電を
導入することで、
再エネ利用拡大へ
中部地域にも広くスーパーマーケットを展開されている株式会社オークワ(以下、オークワ)さま。同グループでは2022年4月に「サステナビリティ基本方針」を定め、SDGsの17の目標と関連付けて取り組みを進めていらっしゃいます。
オークワさまでは取り組みを推進するために、現在に至るまでさまざまな施策を試みられています。なかでも早い段階から進められたのが、2013年7月から取り組まれている太陽光発電で、2024年8月現在で稼働事業所は22か所まで拡大しています。太陽光パネルの設置にあたっては、中部電力ミライズのグループ会社シーエナジーの提供する「オンサイトPPAサービス」を活用されています。本サービスでは設置にかかる初期負担が不要となるため、設置する店舗を一気に拡大することができました。
自社専用の発電所から
長期安定価格での再エネ調達を
さらにオークワさまが注目されたのが、敷地外に新たに設置する自社専用の発電所から再エネ電気を調達する「オフサイトPPAサービス」です。この専用発電所で発電された電気は、燃料価格や為替の変動に左右されずに長期間にわたって安定価格で調達することができます。本サービスでも発電所設置にかかる初期費用は不要となるため、比較的低いハードルで、専用発電所由来の再エネを活用いただくことができます。オークワさまは、2023年8月より、長野県にあるオークワさま専用の太陽光発電所から、遠く離れた中部地域のスーパー6店舗へ再エネ電気を調達。年間約210万kWhの電力を調達し、約830tのCO2排出量削減に成功されています。
もとより、店舗の屋上を活用したオンサイトPPAサービスを通じて順調に再エネによる電力を確保されていたオークワさまでしたが、同社の定めるCO2削減目標を達成するために、オフサイトPPAサービスの導入が重要な役割を果たすこととなりました。
自社専用発電所からの再エネ調達により
中間目標を2年前倒しで達成
オークワの担当者さまは、「当社グループは、気候変動に伴う変化を事業機会として捉え、リスク軽減に向けた戦略を展開する中で、とくに再エネ調達の拡大を通して脱炭素社会の構築を目指しています。オンサイトPPAサービスによる太陽光発電設備の設置や、再エネへの切り替えを進めながらも、CO2削減目標を達成するためには、太陽光発電設備を設置できない店舗をどうするかが課題でした」と、導入の理由を話されます。
オフサイトPPAサービスの導入により、この課題がクリアとなったオークワさま。「これにより、中間目標であった2025年度CO2排出量40%削減を2年前倒しで達成することができました。オフサイトPPAサービスの導入店舗は順次拡大予定です」と、成果をふまえて今後も見据えていらっしゃいます。
2030年度の時点で、CO2排出量を自社の生産活動による直接排出と電力会社などの他社から供給される電気や熱などの使用に伴う間接排出を合わせて50%削減するという目標に向け、「引き続き取り組みを進めていければ」と、意気込みをお聞かせくださいました。
こうして、オークワさまは自社専用の発電所から再エネを長期安定価格で調達することにより、CO2排出量の削減を加速させています。同時に、発電事業者側はオークワさまのように長期的に再エネ電気を調達する買い手が存在することにより、安心して新規電源開発に取り組むことができ、再エネの「追加性」を加速させる動きにもつながっています。
今後も、こうした活動をさらに加速させていくオークワさまの取り組みに期待が高まります。