省エネ・再エネを
自社で最大限活用したい
という想い

名古屋市瑞穂区に本社を置くブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)さま。ブラザーグループでは、エネルギー使用の効率化や太陽光発電の導入など、「自助努力としての省エネ・再エネを最大化」することを最優先課題に位置づけて活動されています。
自社敷地内で再エネを設置できる場所には制約がある中、名古屋市港区にある港第1倉庫は、屋上の全面に太陽光パネルを載せられるのにもかかわらず、倉庫での消費電力が少ないため、発電した再エネ電気を自家消費しきれない建屋でした。ブラザー工業さまでは、「自助努力としての省エネ・再エネを最大化」を掲げているだけに、余剰電力を売電するのではなく、自社で最大限活用したいという想いがあったそうです。

オンサイトとオフサイトを一体化した新たな取り組みで
環境課題に挑む

ブラザー工業さまは、「オンサイトPPAサービス」により港第1倉庫に設置する太陽光パネルで発電された電気を同倉庫で自家消費するとともに、消費しきれなかった余剰電力を「オフサイトPPAサービス」を通じて本社地区に供給する、新たな取り組みを導入しました。中部電力ミライズのグループ会社では、太陽光発電の設備を設置し、保守・管理を実施。また、余剰電力量を想定して、本社地区に送配電線を介して融通しています。

ブラザー工業株式会社さま

2023年1月に導入された、この「オンサイト・オフサイト複合型PPAサービス」では、本社地区に供給された電気を「ブラザーミュージアム」で活用しながら、一部は本社ビルでも使用し、年間で約320tのCO2排出削減を実現されています。
一般的に倉庫のような施設では、屋根面積は大きいものの消費電力が少ないため、屋上の太陽光パネルで発電した再エネ電気を使いきれないことがあります。そのためブラザー工業さまでも、倉庫で自家消費可能な容量の太陽光パネルしか設置できず、せっかくの大きな屋根が有効活用できないという、ジレンマが生じていました。
再エネ発電所の適地が減少する中で、倉庫屋根という大きな遊休スペースと余剰電力の有効活用を通じて、社会全体の再エネの「追加性」にも貢献する本取り組みは、先進的な事例として注目を浴びています。

「追加性」のある再エネ電源確保などにより
中長期目標達成を目指す

ブラザー工業の担当者さまは、「港第1倉庫の屋上全面に太陽光発電設備を設置して、得られた再エネ電気を有効活用できるオンサイト・オフサイト複合型PPAサービスは、自助努力を最大化するという環境課題の解決に最適なサービスでした。中部電力ミライズにはかねてから新しい取り組みとして、このサービスの可能性を相談していたこともあり、具体的な場所が決まった後は力強く支援してもらえたことで、導入ができたと思っています」と、採用理由を話されます。
また、この新たな取り組みは“ブラザーが既存の枠組みを超えた脱炭素に取り組みはじめた”と社内外に示す事例となったそうで、「サービスの仕組みを紹介してほしい」という問い合わせが入るなど、反響の高さを感じていらっしゃいます。
「環境ビジョン2050」に基づき、2050年までに事業活動のカーボンニュートラル実現に向けた省エネや創エネ、CO2フリー電力の活用を進めるブラザー工業さま。「ブラザーグループ グローバル憲章」を掲げ、持続的発展が可能な社会の構築に向けて、企業活動のあらゆる面において地球環境への配慮に前向きで継続的な取り組みを、おこなっていくことを約束されています。
引き続き、2030年までの中期目標として、事業活動からのCO2排出を2015年度比で65%削減することを目指し、さらに2050年を見据えた長期目標の達成に向け、自社専用の追加性のある再エネ電源の確保に努めていかれます。新たな建屋についても「オンサイト・オフサイト複合型PPAサービス」の導入を検討されるなど、適地があれば今後も積極的に拡大されていくそうです。

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