CO2削減の多様な
取り組みの中での次の一手に

自動車用排ガス浄化触媒が主力製品の株式会社キャタラー(以下、キャタラー)さま。環境を考慮した省資源・省エネルギー社会づくりへの貢献を最重要課題の一つと位置付けられています。これまで設備能力の適正化を図るなどCO2削減への多様な取り組みをおこなってきましたが、次の一手として太陽光発電を検討。
天然ガスの資源価格の急激な変動や、非化石エネルギーへの将来需要増など、エネルギーをめぐる情勢が不透明感を増す中、再エネ由来の電力を、長期間安定した価格で調達することを目的に、自社構内での太陽光発電設置に積極的に取り組まれています。
ただ、ここで大きな課題となるのが、自社屋根を活用した大型の発電所設置には大規模な初期投資が必要というところでした。

発電量とコストのジレンマを
PPAが解消

キャタラーさまは1967年創業、静岡県掛川市に本社を置く、自動車用触媒メーカーです。トヨタグループの一社として、四輪自動車触媒を中心に、ディーゼル自動車触媒、二輪自動車触媒を製造し、自動車用触媒においては国内で約40%、世界で約15%の市場シェアを誇ります。また近年は、活性炭分野で浄水場における安全な水道水供給などに貢献。燃料電池用電極触媒・キャパシタ用炭素材といった次世代技術の開発にも取り組まれています。
「自社投資による設置も検討していましたが、大型はコストがかさみ、小さければ効果が限定的というジレンマがあって…」と、キャタラーのご担当者は振り返ります。そんなとき目に留まったのが、設置の初期費用やメンテナンス費用を中部電力ミライズが負担し、保守管理までおこなう太陽光PPAの新聞記事。「これだ!」と思い、発電設備との接続や発電量管理の点でも安心感があることから中部電力ミライズに決められたそうです。
2020年5月、中部電力ミライズと太陽光PPA(電力購入契約)を締結し、キャタラーさまの敷地内に中部電力ミライズが発電設備を設置。自社屋根でつくられた再エネを工場での製品製造に有効活用されています。
現在の太陽光発電設備に加え、別拠点への新設や増設も進めており、年間発電量は約1,490,000kWh、一般家庭約480世帯分の電力量を発電できる見通しです。

非常用電源確保や社内の
意識向上に

導入した太陽光発電は非常電源としての役割も担い、追加工事を実施することで、災害時避難場所の照明やコンセント、傷病者処置室のエアコンへの給電も可能になりました。こうした直接的な効果のほか、発電量モニターを社内に設置したことで多くの人の目に触れ、キャタラーさまの脱炭素への取り組みに興味を持ってもらえるようになったことを実感。社内でさらなる省エネに向けての改善意識が高まり、その動きが加速しつつあるとのことでした。
今後も、他の工場や研究開発センター(ARK)への設置も検討されており、CO2削減に向けて継続的な活動を実施されています。

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