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原理
赤外線加熱は一種の電磁波(光)による加熱です。可視光より外側の0.78μm~1mm程度の波長域の「赤外線」を用いて、放射加熱を行います。ヒータから放射する赤外線の「波長」とお客さまの製品(被加熱物)の吸収波長のマッチングがポイントです。
参考:一般社団法人日本エレクトロヒートセンターウェブサイト
赤外線加熱の透過、反射、吸収
ヒータの赤外線エネルギーが被加熱物に放射されると、吸収するか反射するか透過します。吸収が増えるほど被加熱物を効率良く加熱することができます。
それにはヒータと被加熱物の波長のマッチングがポイントです。ただし、必ずしも「吸収」が全てではありません。吸収率が低く反射率の高い材質で囲うことで効果的に「反射波」を利用できます。
また透明素材など「透過」を効果的に用いることで、板厚方向の均熱化や素材の内部を加熱することができます。
当社では、赤外線特有の特徴を利用するなど、素材、ニーズに合わせた赤外線加熱を実現します。
ヒータの波長と素材の吸収波長
吸収率を決める大きな要素として、ヒータの波長と素材の吸収波長のマッチングがあります。
ヒータが放射するエネルギーのピーク波長は、ヒータの「表面温度」で決まります。(ウイーンの変位則)ヒータ表面温度が高いほど、ピーク波長は短くなります。例えば、ヒータ表面温度が2000℃の場合、ピーク波長は、約1.3μmになり、近赤外線ヒータとなります。ヒータ表面温度が1000℃の場合、ピーク波長は、約2.3μmになり、中赤外線ヒータになります。
これに対して、素材の吸収波長は、素材「表面」の材質で決まります。一般的に金属の吸収波長は近赤外線付近、樹脂や水は中赤外線~遠赤外線付近、セラミックスなど遠赤外線付近に吸収波長があります。表面が酸化していたり、塗料が塗ってあったりすると変わります。表面状態が重要になります。さらに、素材表面の「放射率」が高いほど吸収は大きくなります。放射率は、波長、温度で変わります。このように複数のパラメータを考慮し最適な「赤外線ヒータ」を選定する必要があります。
当社ではさまざまな波長領域の赤外線ヒータを保有しています。
金属をとにかく早く加熱したい、樹脂の温度ムラをできるだけなくしたい、食品を一定温度キープしたい、
セラミックス加熱で省エネしたいなど素材とニーズに合わせた赤外線加熱を実現します。
試験装置例・試験動画
下の試験装置の他、多数のヒータを保有し、お客さまニーズに対応したカスタマイズ試験が可能です。
下の試験装置の他、多数のヒータを保有し、お客さまニーズに対応したカスタマイズ試験が可能です。
試験装置名 (一例) |
特長 |
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超近赤外線 加熱装置 |
可視光に近い赤外線でエネルギー密度が非常に高い |
近中赤外線 加熱装置 |
近赤外線ヒータと中赤外線ヒータを同出力で比較試験可能 |
各種遠赤外線 加熱装置 |
250mm×250mmのサイズでさまざまな遠赤外線ヒータの比較試験可能 |
(注)その他、赤外線ヒータだけではなく、熱風発生ヒータ、カートリッジヒータ、シーズヒータ、アルミ溶湯ヒータなども保有し、さまざまな「ヒータ」による試験、開発を行っています。
HIGH-POWER 金型加熱器
HIGH-POWER金型加熱器を紹介します。
赤外線加熱技術を利用することで、従来のガスバーナ方式に比べ、「省エネ・省CO2」で「安全」に金型を予熱できます。効率的に加熱できるため、加熱時間の短縮にもつながります。