2024年10月22日
中部電力ミライズ株式会社
関西オートメ機器株式会社
中部電力ミライズ株式会社(代表取締役:神谷 泰範、以下「中部電力ミライズ」)と関西オートメ機器株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役社長:櫻田 浩智)は、排水処理における廃棄物を削減する装置「エマルションブレイクシステム」(以下「EBS」)を共同開発し、本日より申込みおよび問い合わせの受付を開始いたします。中部電力ミライズは、環境負荷の低減を目指すお客さまを中心に、EBSのご提案を進めてまいります。
EBSは、工場などにおける排水処理において、既存技術では実現できなかった多量のエマルション(注1)を水分と油分に分離することにより、廃棄物の削減や排水処理時の省エネルギーなどに貢献するものです。
(注1)互いに溶け合わない液体同士が混じり合った状態。本文では静置により分離しない水分と油分が混ざったものを指す。
工場の生産工程などで利用された水は、河川・海に放流するまでに排水処理をおこなう必要があります。一般的に排水処理では、微生物により排水中の有機物を分解する方法が採用されていますが、微生物の増殖時に廃棄物となる汚泥(注2)が発生します。汚泥の発生の抑制には、排水中に含まれる油分などの有機物を減少させることが有効ですが、既存技術(遠心分離・薬剤など)では、多量のエマルションの分離が難しいという課題があります。
(注2)環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課「令和5年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和4年度速報値(概要版)」よると、国内で発生する産業廃棄物の約4割が汚泥です。
EBSは、排水を高速旋回させ剪断(せんだん)力(注3)により多量のエマルションを破壊し、水分と油分に分離した上で、マイクロバブル(注4)によって油分を吸着し、水面に浮上させます。これらのしくみにより排水に含まれる油分が減少するため、微生物処理の前工程にEBSを用いることで微生物の増殖を抑え、廃棄物となる汚泥の発生量を削減することができます。
(注3)高速旋回に伴う遠心力とEBS内部の構造により発生する、水分と油分を断ち切る力のこと。
(注4)直径0.1~0.001mmの非常に小さな泡。水中で帯電し油分を吸着する。
お客さまのご協力のもとEBSを用いて排水処理を実証した結果、EBSを使用しない場合に比べ、排水中に含まれる油分が約50~90%以上低減(注5)する効果があることを確認しております。
(注5)効果は排水の状態やEBSの稼働台数、処理の継続時間などにより変動する。
両社は、お客さまの排水処理における廃棄物の削減・省エネルギー化などの課題解決を支援することで、循環型社会の実現に貢献してまいります。
EBSの主な特長
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EBSによるエマルション分離のイメージ
仕様
定格電圧 | 三相 AC200V |
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消費電力 | 0.75kW |
処理量 | 8.4m3/h |
本体寸法 | 幅500mm×奥行400mm×高さ350mm |
本体質量 | 約22kg |
本開発品に関するお問い合わせ先
中部電力ミライズ株式会社 法人営業本部 ソリューションセンター 052-740-6928
別紙
エマルションブレイクシステム(EBS)の概要[PDF:1,081 KB]
以上