2025年09月22日
アンデックス株式会社
中部電力ミライズ株式会社
アンデックス株式会社(代表取締役社長:吉田 伸、本社:広島県尾道市、以下「アンデックス」)および中部電力ミライズ株式会社(代表取締役:神谷 泰範、本店:愛知県名古屋市、以下「中部電力ミライズ」)は、両社の共同開発品であるウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ(ウエットコムツー)」が、株式会社東海理化(代表取締役社長:二之夕 裕美、本社:愛知県丹羽郡大口町、以下「東海理化」)の音羽工場(愛知県豊川市)において本日から稼働開始したことをお知らせいたします。
これは、「WETCOMⅡ」の開発後、生産現場で導入される初めての事例となります。
「WETCOMⅡ」は、主に工場における塗装ブース(注1)などにおいて、空間の温度・湿度(以下「温湿度」)を高効率かつ高精度に調整することで、安定した温湿度を供給しながら省エネとCO2排出量削減に貢献する空調機です。
(注1) 工場などにおいて、製品の塗装作業をおこなうために区切られた空間のこと。
一般的に塗装工程では、均一な塗装品質を確保するため、塗装ブース内部の温湿度を安定させる空調機が使用されています。
従来の空調方式には、温湿度の調整が容易であり設備費も安価な蒸気式が使用されていますが、蒸気式は、蒸気配管におけるエネルギーロスなどによりエネルギー効率が低いという課題があります。また、熱源に蒸気ではなくヒートポンプ(注2)を使用するその他の方式(気化式・水噴霧式)においても、冬場の「低温」「低湿」な空気への加湿性能が蒸気式と比べて低いという課題があります。
(注2) 空気などから熱を収集し移動させる技術。少ない電気エネルギーで効率的に冷温水の供給が可能となる。
これらの課題を解決するため、アンデックスおよび中部電力ミライズは、2024年8月、熱源に蒸気を使用しない空調機「WETCOMⅡ」を開発いたしました。(技術協力:東洋熱工業株式会社)
「WETCOMⅡ」には、空気と冷温水を直接接触させることで温湿度を調整する独自の機構(仕組み)を設けており、蒸気を使用せずとも、空気を十分に加温加湿することが可能となります。また、冷温水を作り出す熱源にはヒートポンプを用いるため、蒸気式と比較し高いエネルギー効率で温湿度を調整することが可能です。
さらに、冬場において、「WETCOMⅡ」の独自機構により加温加湿することで、気化式・水噴霧式と比較しヒートポンプの設定温度を低く抑えられるため、省エネにつながります。
本日より稼働を開始した「WETCOMⅡ」の導入により、東海理化音羽工場では、塗装工程における空調の蒸気レス化を実現し、従来の蒸気式空調機と比較して、エネルギーコストの約65%削減、CO2排出量の約73%削減を見込んでおります。
アンデックスおよび中部電力ミライズは、今後も「WETCOMⅡ」の導入を推進し、自動車・機械分野をはじめとする製造業の生産現場における省エネと環境負荷低減に寄与しながら、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
東海理化音羽工場に導入されたWETCOMⅡ

今後の展望
アンデックスおよび中部電力ミライズは、中部電力株式会社(代表取締役社長:林 欣吾、本店:愛知県名古屋市)と共同で、新たなウエットエアー式空調機「WETCOM CROSS(仮称)」の開発を進めており、2026年度内の販売開始を目指し、2025年8月から試作機による検証を実施しております。
両社は今後、「WETCOMⅡ」の開発で得た知見を基に、ウエットエアー式空調機の小型化とメンテナンス性の向上を実現することで、お客さまの幅広いニーズにお応えしてまいります。
本開発品に関するお問い合わせ先
中部電力ミライズ株式会社 ソリューション事業本部 Tel:052-740-6928
以上