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「2020年度 省エネ大賞」の受賞について

2020年12月21日

中部電力ミライズ株式会社

当社は、本日、2020年度省エネ大賞(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)の省エネ事例部門にて、「革新的洗浄液再生システムによる省エネルギーの取り組み」と「CO2フリーに向けた低圧鋳造工程の実現による省エネルギーの取り組み」の2件について、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞いたしました。

「省エネ大賞」は、国内の産業、業務、運輸各部門における優れた省エネの取り組みや、先進的で高効率な省エネ型製品などを表彰する制度です。

「革新的洗浄液再生システムによる省エネルギーの取り組み」については、トヨタ自動車株式会社(代表取締役社長:豊田 章男、以下「トヨタ自動車」)、関西オートメ機器株式会社(代表取締役社長:櫻田 浩智、以下「関西オートメ機器」)と実施しました。今回、トヨタ自動車三好工場にて、自動車部品の洗浄に使用した洗浄廃液を、ファインバブル(注1)を用いて再利用する装置を開発・導入したことで、洗浄液の廃棄が不要となりました。加えて、これまで水分を蒸発させて廃棄物量を減らす作業がありましたが、この作業が無くなるとともに、使用していた燃料も不要となり、これらの取り組みが高く評価されました。

「CO2フリーに向けた低圧鋳造工程の実現による省エネルギーの取り組み」については、スズキ株式会社(代表取締役社長:鈴木 俊宏、以下「スズキ」)、メトロ電気工業株式会社(代表取締役社長:川合 誠治、以下「メトロ電気工業」)と実施しました。今回、スズキ相良工場にて、エンジン部品の鋳造に使用するサブストーク(注2)の加熱方法を、従来のガスバーナ式から燃焼を伴わない赤外線ヒータ式へ改善したことにより、CO2排出量と燃料消費量を半減させた取り組みが高く評価されました。

当社は、お客さまとともに現場の多様化する課題に深く入り込み、省エネや生産性の向上を図る「開発一体型ソリューション」を展開し、今回の2件の取り組みもその一環です。
今後も、お客さまのニーズを捉えた様々なソリューションサービスを展開していくことで、お客さまからの期待に応えてまいります。

(注1)直径0.1~0.01mmの非常に小さな泡。「浮上速度が遅い」「水に溶けやすい」「泡が壊れにくい」等の特徴があり、工業・化学等の分野で活用されている。

(注2)鋳造工程において、アルミの溶湯を金型へ充填する前に貯湯しておくためのタンク。アルミを溶かした状態で維持するためにタンクを高温で加熱する必要がある。


別紙1

革新的洗浄液再生システムによる省エネルギーの取り組み

1 事業者
トヨタ自動車、中部電力ミライズ、関西オートメ機器

2 対象事業所
トヨタ自動車 三好工場

3 概要

(1)課題認識

  • トヨタ自動車三好工場では、自動車部品の洗浄に使用した洗浄廃液を、処理業者へ輸送する前に水分を蒸発させ廃棄物量を減らしているが、その際に大量の燃料を使用することが課題であった。

(2)実施内容

  • 3社がもつ技術の強みを活かし、ファインバブルを用いた高速浮上分離装置を開発・導入し、洗浄廃液を再利用するとともに、製品の品質への影響を調査した。
ファインバブル高速浮上分離装置の主な特長
ファインバブル高速浮上分離装置
  • ファインバブルを用いて、洗浄廃液内の不純物を効率的に浮上・分離・除去する。
  • ファインバブルの曝気(ばっき)効果により、悪臭の原因となる硫化水素等の発生量を低減させる。

(3)導入効果

  • 洗浄廃液の再利用が可能となったことにより、廃棄が不要となり、従来の廃棄時における燃料(原油換算量)をゼロにしたことに加え、悪臭低減にも寄与した。

洗浄液再生システム導入前の図、洗浄液再生システム導入後の図

  • 削減成果におけるデータ

削減成果におけるデータ


別紙2

CO2フリーに向けた低圧鋳造工程の実現による省エネルギーの取り組み

1 事業者
スズキ、中部電力ミライズ、メトロ電気工業

2 対象事業所
スズキ 相良工場

3 概要

(1)課題認識

  • スズキ相良工場では、エンジン部品の鋳造に使用するサブストークは、常時加熱する必要があるため、大量のLPガスを使用していた。
  • サブストークの着火や火力調整の作業は手間が多く、作業者の技量に左右されることから、作業効率の低下を招いていた。

(2)実施内容

  • 3社が持つ強みと中部電力 先端技術応用研究所の技術協力を得て、ガスバーナ式から1,200℃超の温度を出力し、500℃を超える環境に耐えられる赤外線ヒータを導入した。

ガスバーナの図、赤外線ヒータの図

(3)導入効果

  • 低圧鋳造工程において、燃焼を伴わない赤外線ヒータを導入したことでCO2フリーを実現し、燃料(原油換算量)・CO2排出量の削減、加熱時間の短縮に寄与した。

原油換算量、CO2換算量、加熱時間

  • また、赤外線ヒータの導入により、サブストークの加熱制御を自動化し、作業者の技量に左右される着火・火力調整作業を廃止できた。

以上

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