毎日の心がけでパソコンの消費電力を削減
今回はちょっとした意識が省エネに繋がる、パソコンの消費電力を削減する方法をご紹介します。
まず、パソコンはオフィス全体の消費電力において、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。⼀般的なオフィスビルにおける「⽤途別電⼒消費⽐率(夏季の点灯帯(17時頃))」を見てみると、パソコンの消費電力の割合は6.6%。空調設備や照明に比べると、消費電力はそこまで高くありません。
一方で、パソコンは一人ひとりの使い方で電力消費量をコントロールできるもの。パソコンを使わない時は「シャットダウン」「スリープモード」にするだけで、毎日コツコツと電力消費を削減できるのです。
次に電気料金と結びつけて考えていきましょう。パソコンなどの電化製品にかかる電気料金の計算方法は以下のような式で求めることができます。
消費電力(W)÷1000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)
電力量料金は、電気製品公正取引協議会が定めた目安単価の27円/kWh(注1)で計算します。しかし、契約している電気会社によって微妙に異なりますので、後述の計算を含めてあくまで参考値として見てください。
パソコンの消費電力はメーカーのHPや説明書で確認可能。基本的に「最新機種であるほど」「デスクトップよりもノート」が、消費電力を抑えられます。
デスクトップパソコン1台(標準時の消費電力=約34W(注2))
- 1日分(8時間)の電気代:34÷1000×8×27=7.344円
- 1ヶ月間の営業日分(20日間)の電気代:7.344×20=146.88円
- 1年間の営業日分(240日間)の電気代:7.344×240=1762.56円
デスクトップパソコン/2022年春モデル/LAVIE A27
標準時・約34W/最大時・約90W/スリープ時・約4.8W
ノートパソコン1台(標準時の消費電力=約6.5W(注3))
- 1日分(8時間)の電気代:6.5÷1000×8×27=1.404円
- 1ヶ月間の営業日分(20日間)の電気代:1.404×20=28.08円
- 1年間の営業日分(240日間)の電気代:1.404×240=336.96円
ノートパソコン/2022年春モデル/LAVIE N13
標準時・約6.5W/最大時・約45W/スリープ時・約0.4W
省エネの第一歩は、パソコンを使わない時や離席時に「電源を切る」こと。もしくは「スリープモード」にして消費電力を抑える意識を持つことが大切です。
例えば昼休みの1時間、ノートパソコンの電源をオフにした場合を考えてみます。1時間分で節約できる電気代は0.1755円(注4)。1年間の営業日分(240日間)で計算すると、42.12円(注5)の節約になります。
(注4)1時間分で節約できる電気代:6.5÷1000×1×27=0.1755円
(注5)1年間の営業日分(240日間)で節約できる電気代:0.1755×240=42.12円
さらに、オフィスの規模ごとに考えていきましょう。ノートパソコンを使っている会社が全社員に向けて、「昼休みの1時間は電源オフに」というルールを運用したとします。そうすると1年間の営業日分(240日間)で節約できる金額は以下になります。
- 10名規模の会社:42.12 ×10=421.2円
- 50名規模の会社:42.12 ×50=2106円
- 100名規模の会社:42.12 ×100=4212円
会社によっては、デスクトップパソコンが中心というケースもあるかもしれません。そうすると、節約できる金額はノートパソコンのおよそ5倍となり、決して少なくない数字に繋がります。一方で、消費電力をしっかりと抑えるのであれば、できるだけデスクトップパソコンからノートパソコンへの買い替えを検討されても良いでしょう。
また実際に運用する際に昼休みのたびにシャットダウンするのが面倒に感じる場合は、パソコンに搭載されている「エコモード」に設定するのがおすすめ。パソコン不使用時に「電源を切る」または「スリープ状態に移行する」ように時間指定が可能です。
ひとつ注意点として、一定時間操作しないと画面が切り替わる「スクリーンセーバー」に節電効果はありません。むしろ、3Dのスクリーンセーバーに設定している場合はかえって消費電力が高くなりますので、設定をオフにするのがおすすめです。
最後に、パソコン消費電力の削減に繋がるハウツーをチェックリストでお届けします。
パソコン消費電力の削減チェックリスト
- パソコンはデスクトップではなく「ノートパソコン」を購入する
- 年式の古いパソコンは新しいモデルに買い替える
- 購入の際には「国際エネルギースターロゴ(注6)」が付いたパソコンを目安のひとつとして選ぶ
- パソコンの不使用時、離席時には「電源を切る」または「スリープモード」に
- モニターの輝度は必要最低限の明るさに設定
- 使っていないメディアドライブやUSB機器は外す
(注6)オフィス機器の国際的省エネルギー制度「国際エネルギースタープログラム」。製品の消費電力などについて米国EPA(環境保護庁)により基準が設定され、この基準を満たす製品に「国際エネルギースターロゴ」の使用が認められています。
いかがでしたか?パソコンの消費電力は個人の心がけで簡単に抑えることができます。早速、今から試してみてはいかがでしょう。